22年夏の新潟の記憶

競馬

全線再開目前

 新潟競馬場に向かう関越自動車道。その途中の関越トンネルを過ぎてまもなくの小出インターCを降りて約10分。JR小出駅に到着。そこから只見線に乗車して、1時間ちょっと列車に揺られて、現在の終点である只見駅のホームです。
 〝現在の〟というのは、2011年の豪雨水害で一部区間(会津川口~只見)が不通になっていたため。それがようやく復旧工事を終え、10月1日に前線で開通することになりました。この期間中は新潟県の小出駅から乗車すると只見駅が終点(そこで折り返し運行に)。その先に行くには代行バスで会津川口へ行き、そこから列車で終点の会津若松駅に向かうことになっておりました(会津若松駅発は会津川口駅で折り返し)。

 只見線の秘境感がたっぷりなのは、こちら小出駅の時刻表をご覧になっていただければ一目瞭然かと。

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 右側なんですけどね。このダイヤの過疎ぶりは、かつて岩手県に存在した秘境線の中の秘境線、〝岩泉線〟のそれに匹敵するもので、小出駅に来たのは不通になる前に来て以来の2度目なんですが、改めて見て度肝を抜かれました。

 それにしても、北海道の日高線が2015年の土砂災害からの復旧が叶わず、あっさり廃線にいたったのとは大違い。豪雪地帯のため冬季の代替交通がなく、しかも絶景が続く路線とあって、状況は違っているのかもしれませんが、とにかく維持、全線再開へ努力された皆さんには感謝しかありません。

夏の2場開催の見どころ

 ともあれ、只見駅から小出駅に折り返して、再び関越自動車道で新潟へ。途中、長岡、三条、燕と寄り道をするため一般道を走り、その日の競馬は自重。夜の古町で知った顔と待ち合わせして一献、ということで初日を終えました。

 今開催(2回新潟の2週間)中に新潟に来たいと思ったのは、今年も小倉開催が2週間お休みで、新潟と札幌2場という変則開催だったから。どうしてこんなことになるのかと言うと、オリンピック・パラリンピック開催中の輸送問題(馬運車の手配)を考慮してのことと聞きました。
 だからここ2年は仕方がないのです。しかしオリパラがない今年は何故?というと、「暑気対策」とか何とか?
 本当ですか?
 では来年以降もずっと、ってことですか?

 いやまあそれについてどうこう言うつもりはありませんが、小倉がなくて新潟、となると、栗東組が大挙押し寄せてくることにはなりますわね。栗東→新潟って、栗東→小倉の輸送よりも楽でしょうから。
 アイビスサマーダッシュが行われた開幕週は、出走馬の9割が栗東馬だった、なんて極端なケースはなかったようですが、それでも関東圏の競馬で出走頭数が五分五分であること自体が異様です。馬券は難しくなりますけど、でも、そうした条件下で戦ってこそ、というファイター気質を無理やり発動させて、という気合は入ってました。
 そんな中でも、と言うか、だからこそ、と言うべきか。大いに楽しめる材料もあるんです。

今村聖奈の衝撃

 その一番は、しっかり顔と名前を覚え切れていない関西の若手騎手を一斉に見れる、ということ。勿論、若手というなら関東の騎手にも言えることでもあります。是非、彼、彼女らの顔だけでなく、騎乗ぶりも観てみたい、ですよね。
 それに今年は何しろ今村聖奈というスーパールーキーもいますし。

 彼女、8月7日(日曜日)の5Rの新馬戦で、単勝12番人気(4400円)のムーンスカイで穴を開けると、8Rの3歳上1勝クラスでは1番人気のアルファマムに騎乗して楽勝。
 その8Rの勝ち方が、何と言うのか、新人離れしてるんですわ。

 出遅れたのに慌てずに、最後方を悠然と追走。直線を向こうかというタイミングでソーッと加速し、直線を向いて一気に前を捉えてアッと言う間に交わし去ると、ゴール前は抑え気味のフィニッシュ。先行馬には厳しいハイペースで展開が向いたことはありますが、その流れをバタバタしないで追走できて、1分10秒台の時計も文句なし。
 レース後に、ある程度速くなることも想定していたかのようなコメントをしていて、そうした意識が今後どう結果に影響してくるかは注視する必要がありますが、やっぱり普通ではない何か、を感じさせるところも多々あります。

 その一例がこちら。本馬場入場の際に、キャンターに降ろす姿が柔らかくて実にスムーズに感じます。形が良く映る。

新潟8Rキャンターに入る直前

これが、下の写真に続きます。

 返し馬の見方として、「キャンターに入る時も重要だけど、止める時の方がより重要」とは格言的に耳にすることで、納得できる部分はあります。でも、行き始める時の姿から受けるインスピレーションにも独特のモノがありませんか?
 何にしても今村聖奈、間近で観て、改めていいんじゃないですか、と思わされました。

 そしてこの変則開催では、香港から来日し、短期免許を取得しての騎乗をスタートさせたチャクイウ・ホー騎手の参戦も注目されました。
 初めての左回り、コーナーのきついダートコースと、慣れるのに少し時間がかかるかな?と思った矢先のレパードS制覇。叩き合いを制して、2週目にして重賞初制覇を飾りました。
 もともと適応力がありそうなハートの強さがありそうですし、過剰人気になるようだと買いにくいですが、ますます注目していいジョッキーの一人かと思います。

(レパードステークスの表彰式)

 そんなこんなで新潟2週目。変則日程が気になっていたのに、そんなことそっちのけで、盛りだくさんでした。馬券の方は今ひとつうまくいかなかったけど、かなり楽しめましたです。

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