鬼子母神が似合う
恒例の劇団唐組公演、
第69回公演『改訂の巻・秘密の花園』
を観て来ました。場所は鬼子母神。
実はこの作品、観るのは何度目になるかなあ?という作品でして、調べてみたら最初は1999年。やっぱり鬼子母神でした。
唐十郎と言えば紅テント。
その聖地は新宿の花園神社なんだと思われますが、雑司ヶ谷の墓地が近い鬼子母神の方が、なんとなく彼の作品のイメージに合っているのでは?と思う部分があって、私は好きですね(花園がダメというワケではなく)。
それでこの作品、唐組だけでなく、いろんな役者さんや演出家さんも挑戦していまして、こういうのもございました。
「夫婦揃って良血」
何を隠そう、私、柄本佑くん贔屓でもあり……。
お父上(言うまでもなく柄本明さん)の舞台は石橋蓮司さんと共演した『ゴドーを待ちながら』を何度か観せてもらって、楽屋でお姿も拝見したことがあったんですが、彼(佑くん)の舞台はこの時が初めて。いや実に、自分よりも何枚も上手の女性に翻弄されるしょぼくれた男、という役どころが妙に嵌まってました。
もっとも、この舞台の相手役は寺島しのぶさんですからね。そりゃマウント取ろうにも無理がありますわな。
それにしても柄本佑くん。普段はちょっと暗くて危険な感じの、そう、場の空気を一気に不穏なモノに替えてしまうような特異な雰囲気を纏っていたりしますが、NHKの特集ドラマ『スローな武士にしてくれ』で見せたようなコミカルな演技も絶妙ですし、『心の傷を癒すということ』みたいなシリアスなモノもしっかりこなす多才ぶりというか……。
このあたりは父親譲りかと思いますし、考えてみたら奥様の安藤サクラさんもそんなところがありますかねえ?(私は彼女のファンでもあります)。
そう、この中見出しに使った「夫婦揃って良血」と言うのは、『秘密の花園』の中で田口トモロヲさんがアドリブ風に言うセリフなのです。
田口さんが佑くんの芝居を急に止めて演出家風に「いやいや、そうじゃなくてさ。もっとこう、ちゃんと反応してくれないと。君は奥さんの方の血統もちゃんとしてるんだから、しっかり芝居してくれないと」みたいなギャグをかますシーン(細かいところは正確じゃないかもしれません)だったと記憶してます。
まあ舞台のギャグはギャグとしても、これから更に大きな仕事をやっていってくれるんじゃないのかなと思います。
期待するなという方が無理ですわ。
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